2016年12月14日水曜日

第164回 「高校野球の面白さ」

私はスポーツをするのが大好きで水泳、サッカー、ラグビーと打ち込んできました。もちろんそれらのスポーツを観るのも大好きですが、観戦していて一番面白いのは野球だと思います。中でも高校野球の面白さは際立っていると感じます。広島に来て広島カープの人気の高さに驚かされますが、ここでは高校野球の面白さをかなりマニアックにお伝えしますのでお付き合いください。

①時間制限のないゲームの特性(高校野球は7回の攻撃終了で試合成立。プロは5回)

野球好きなら誰でも知っている「野球は9回2アウトから。」という格言があるように、最終回の3アウトを取るまで試合の結果はわかりません。サッカーなら2点差、ラグビーなら8点差以上ついてアディッショナルタイムに入ると結果はほぼ変わりません(もちろん例外はありますが)。一方で抑え投手がいない高校野球において終盤の大逆転は稀ではなく、贔屓の高校の大量リードに安心してテレビを切り、夜に熱闘甲子園を見ると贔屓の高校が負けていたということが何度もあります。

そして見出しにも書いたように7回まで試合が進まないとどんな状況でも試合が成立しません。有名なところでは2003年夏の全国大会、駒大苫小牧-倉敷工で、駒大苫小牧が8点リードの状況で降雨ノーゲームとなり翌日の再試合で駒大苫小牧は敗退しております。その悔しさをバネに駒大苫小牧は翌2004年に全国制覇を果たすわけですが。

さらに残酷な事例が今年の夏に起きています。2016年夏の沖縄大会準々決勝、浦添商-小禄は、7回終了時点で小禄がリードしておりました。8回表に浦添商が逆転に成功し、8回裏の攻撃中に雨足が強まり、審判は試合続行不可能と判断しました。結果は7回終了時点でリードしていた小禄の勝ちとなりました。勝っていたのに負けるというこの理不尽なルールは改善の余地があると思ってしまいます。


②名物監督の存在


高校スポーツ全てに言える事ですが選手は毎年入れ替わります。高校野球なら一人の選手が甲子園に出場可能なのは春、夏合わせて最大で5大会となります。お気に入りの選手の3年間を地方大会からチェックしていくのも楽しみ方の一つです。ですが更に高校野球にハマるために監督に注目することをお勧めします。

強豪校の監督は長く同じ学校を率いる事が多いので顔が覚えやすくベンチでの仕草や談話での受け答えに人柄が見て取れ、応援したくなったり、逆に嫌悪感を覚えたりして感情移入がしやすくなります。また、それぞれの監督で采配に特色があり、バントを多用する高校、逆に強攻策を多用する高校、機動力を重視する高校、継投策を多用する高校、エースに全てをかける高校、と様々です。この高校(監督)の野球は面白い!と感じたら翌年もその高校が出てくるか気になるようになり、その高校の予選の結果が気になるようになっていきます。

そして強豪校の監督が辞め、別の高校で指揮を執るようになると、その監督を招聘した高校が強くなり、初出場を果たす事もしばしばあります。監督の異動(移籍?)によりその県の勢力地図が大きく塗り替えられるわけです。初出場や数十年ぶり出場の高校を見かけたら、監督の経歴をチェックしてみてください。

まだまだマニアックな高校野球の楽しみ方は提供可能ですが、皆さん飽きてきたと思うのでこの辺で閉じさせていただきます。

昔はかなりの情報量を頭に入れて持ち歩いておりましたが、最近は秀逸なマニアのサイトや朝日新聞のサイトから手早く情報が取り出せてしまうので、記銘力低下に拍車がかかっております。以下に高校野球中毒になれるサイトを紹介しておきます。

【1】全国全試合スコア速報掲示板

高校野球マニアの管理人が運営するサイトで過去の記録や名勝負の裏話など知りたい事がだいたいわかります。ただし2016年選抜大会を最後にデータが更新されておりません。また、サイト内の掲示板では全国のマニアが地方大会の結果を速報したり、各自意見を戦わせています。

【2】 バーチャル高校野球

朝日新聞のサイトで、全国大会や地方大会のライブ中継を無料で配信していますので大会期間中は非常に役立ちます。過去の記録も【1】より見やすいです。

脳神経外科医師 三浦 啓介